本当は怖い歯周病のお話
歯周病がもたらす体の病気

歯周病は成人の8割がかかっている国民病です。 進行すると歯を支える骨を溶かして歯を失う原因になることはもちろん、近年では心疾患、脳血管疾患、動脈硬化、誤嚥性肺炎、糖尿病、早産・低出生体重児、骨粗しょう症、肥満などが歯周病の起因となることもあれば、全身疾患によって歯周病が発症したり悪化するケースも報告されています。 単にお口の健康を守るためだけではなく、全身の健康も予防・改善させていくためにも歯周病の早期予防・早期治療が大切なのです。
歯周病がもたらす体の病気
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- 糖尿病の悪化
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糖尿病は食べ物の糖分が体内に吸収されにくくなり、血液中に糖分が溜まってしまう病気です。歯周病は糖尿病の合併症といわれ、多くの糖尿病患者がかかっていることがわかっています。糖尿病は歯周病に罹患させ、また、歯周病による炎症性物質が糖尿病を悪化させてしまうといった、負のループになるのが特徴です。
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- 肺炎
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肺炎は、日本人の死因の第4位であり、亡くなる方の90%以上の人が65歳以上の高齢者です。 さらに、肺炎の年齢別死亡率は70歳を超えると急激に増加することがわかっています。 特に高齢者に多い誤嚥性肺炎は、お口の中の歯周病菌が、食べ物や唾液と一緒に気道下に入り込んでしまうことが原因の1つです。 食べ物をうまく飲み込めない、咳でむせてしまうなどの症状は、加齢によりどうしても起こりやすいものですが、誤嚥性肺炎の予防については歯周病予防も重要な鍵を握っています。
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- 心臓病のリスク
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細菌性心内膜炎とは、主にお口の中の細菌が引き起こす病気です。また、歯周病菌が心臓のまわりにある冠動脈に感染すると、動脈硬化が進行する可能性もあります。
血圧やコレステロール、中性脂肪が高く心臓病になりやすい方は、歯周病に特に注意が必要です。
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- 妊娠中の方は
低体重出産・早産のリスク -
女性ホルモンをエサにしている歯周病の原因菌が存在するため、妊娠すると歯周病にかかりやすくなります。
また、妊娠初期はつわりの影響で十分にブラッシングができないことから、プラークが溜まりやすく、嘔吐するとお口の中で細菌が活性化しやすい「酸性」の状態になるため、さらにリスクを高めてしまいます。 歯周病に罹患している妊婦さんは、早産や低体重児出産のリスクが歯周病でない妊婦さんの約7.5倍もあり、タバコやアルコール、高齢出産などによるリスクよりも数字が高くなっています。
- 妊娠中の方は